居住空間や食品工場でのカビトラブルの発生要因は、
①建築系及びその周辺の外乱に関わる要因と、
②空調設備系に関わる要因があります。
居室及び食品工場ではさまざまな方式のエアコンなどで構築されていますが、
特に食品工場などでこれらエアコンを運転する際の留意事項は、エアコン内部に堆積したカビ胞子を含む空中浮遊微生物が飛び出して空気質を低下させ、
製品に付着する
食品トラブルを発生させる要因になることです。
この対策としては、前述のエアコンのフィン洗浄などが重要ですが、これらは意外と疎かになっているのが現状で、
身近な事例として、終業時に停止したエアコンを生産開始時に両運転すると、
生産開始の初期の製品にカビトラブルが発生した事例を時々見聞します。
このようにエアコンに起因するカビトラブルは多くの食品工場で見られていることから、
その対策として、作業室内に弱アルカリ性次亜塩素酸水溶液(以下、弱アルカリ性次市水と略記)を空間噴霧することにより、
室内の浮遊菌除去や壁や装置の付着菌除去をするばかりでなく、
エアコン内部の付着細菌やカビ胞子も除去できると考え、数種の超音波霧化器を用いて確認試験を行いました。
その結果、弱アルカリ性次亜水の空間噴霧はエアコン内部の除菌対策に有効で有ることが分かりましたのでそれらの事例について次回ご紹介します。